アメリカにおけるチョコレートの文化に触れる
現在では当たり前のように食べているチョコレート。
そもそもチョコレートは、どこが発祥なのでしょうか。またどのようにして世界へと広まり、日本へ伝わったのかも気になるところ。
そこで今回は、チョコレートにスポットをあて、その歴史を見ていきましょう。
今では当たり前のように食べているチョコレート。
その原料であるカカオの発祥は、メソアメリカの古代文明であるオルメカ文明にまで遡ります。メソアメリカは、北アメリカと南アメリカをつなぐ地域。中央アメリカや中米とも言われるエリアです。
農耕民が多くの文化を発展させた土地で、紀元前2000年頃からカカオの利用があったと言われています。
当時のカカオには、通貨としての役割や神様への捧げ物としても利用されていました。
また、薬としての一面もあり、カカオにとうもろこしや香辛料と混ぜ合わされた、スパイシーな飲み物だったそうです。
メソアメリカで、さまざまな利用法で愛されていたカカオは、世界へと広がっていきます。
スペインに伝わり、その後ポルトガルやイタリアへと世界各地に徐々に広まりました。当時のカカオは貴重なものであり、貴族などの上流階級のみが楽しむ嗜好品でした。
この時期でも飲料として広がっており、現在の固形化されたチョコレートは誕生していません。
その後、日本にもチョコレートが伝わります。鎖国の時代にオランダ商人からの貰い物として入ってきたのが、最初なんだそうです。
大正時代に、森永製菓や明治製菓が創業。カカオ豆からの一貫作業によるチョコレートの大量生産が、本格的にスタートしたのがこの頃。
しかしながら、当時のチョコレートは高級品で、一部の方しか食べることのできないものでした。
ここから日本のチョコレートの歴史が始まり、さまざまな文化形成と技術革新が進むことで、現在へとつながっていきます。
昭和になるとチョコレートメーカーが続々と参入。これによりチョコレートの需要は一気に拡大していきました。
飲み物として扱われていたチョコレートは、酸味が強く鼻につく匂いが課題でした。
それを解決したのが、オランダ人のC.Jバンホーテン。ちなみに、馴染みがある方も多いココアブランド「バンホーテン」は、彼の名前が由来です。
バンホーテンは、カカオマスの脱脂技術とダッチプロセス製法の開発により、現在の美味しく飲めるココアを誕生させました。ダッチプロセスは、今もなお、世界のスタンダードとして広く使われている製法です。
18世紀半に起きた産業革命が進展していた19世紀、チョコレートは飲むものから食べるものへと大きく変化します。このタイミングで現在のような固形化されたチョコレートが誕生し、さらなる味わいの楽しみが広がりました。
イギリスの菓子職人であるジョセフ・フライによって、固形化されたチョコレートは発明されました。
それまで、ココアバターの含有量が多いことで、水やミルクと混ざりにくいのが欠点でした。しかし、ココアを製造する際に出る、ココアバターに着目。
元のカカオマスに、より多くのココアバターを混ぜ合わせることで、チョコレートが固形化することを発見したのです。これにより、現在のチョコレートの原型が作られました。ただ、当時のチョコレートは甘いものではありませんでした。
その後、スイス人のダニエル・ペーターがミルクチョコレートを発明。ジョセフ・フライによって作られたチョコレートに、ミルクを含むことで甘さをプラスしました。
このように、チョコレートの歴史はとても深い物語があったのです。
チョコレートがたっぷりと入ったブラウニーは、アメリカ発祥のケーキ。持ち運びがしやすく、バレンタインの贈り物としても人気です。
1893年に開催された、シカゴ万国博覧会において参加者向けに作られたのが始まり。
現在ではブラウニーを使用したレシピも多く、たくさんの方々に愛されています。
睡眠環境の向上に役立つナイトチョコレートも、アメリカ発祥の文化です。睡眠前にチョコレートを口にすることで、リラックス効果や快眠効果があるとされています。
これを始めたのは、アメリカのセントルイスのメイフェアホテル。1950年頃、ベッド脇にチョコレートを添えておくサービスをスタートしました。
BeantoBarの発祥もアメリカと言われています。
2007年頃、アメリカのチョコレートショップ「MAST BROTHERS CHOCOLATE」が、農園からカカオ豆の選別・焙煎・精製・成形までの一貫した製造をスタート。
このスタイルは、世界各地のチョコレートショップに広がっています。
チョコレートの原料であるカカオは、メソアメリカが発祥です。
当時はカカオを使用し、飲料として愛用されてきました。そして、メソアメリカから世界各地へと広がり、日本にも伝わりました。
意外と知らないチョコレートの歴史や文化を知ることで、チョコレートの楽しみ方も変わるかもしれません。