2023.08.08アメリカの街並みやカルチャーに触れられる関東近郊スポット

海外旅行に行きたいと考えていても、時間やお金に余裕がないなんてことも。

そんな方におすすめなのが、国内にいながらも海外にいる雰囲気を楽しめるスポット。

本場アメリカを感じられる、世界観を落とし込んだ街並みを一度体験してみてはいかがでしょう。

今回は日本にいながらも、本場のアメリカを感じられるスポットを関東に絞って紹介します。

1 福生ベースサイドストリート

1-1 東京都福生市にある「福生ベースサイドストリート」

福生ベースサイドストリートは東京都福生市にある商店街。

約1kmも続く商店街には約150店舗が並んでおり、アメリカンティストのアンティークショップや雑貨店、古着ショップ、カフェ、レストランなどが軒を連ねます。

中にはメニューが英語表記だったり、ドルで支払いが可能なんてお店もあるほどです。

実は福生市は、アメリカ空軍基地である横田基地が建てられている地域。そのためアメリカ人も多く住んでおり、横田基地とともにベースサイドストリートは発展してきました。

もともと横田基地には日本陸軍の施設が建てられていましたが、第二次世界大戦が終戦し米軍によって接収されたのです。

その当時はアメリカ人で賑わっていた福生市ですが、徐々に米軍の規模が縮小されたことで減少していきます。

そこでスタートしたのがベースサイドストリート。地元住民がアメリカ軍関係者を相手に、店をオープンしたのがきっかけなんです。そして今もなお、街中にアメリカの文化が息づいています。

1-2 福生市の建築遺産「米軍ハウス」の活用方法

福生市には、この街だからこそ存在する建築遺産があります。それが米軍ハウスと呼ばれる平家の建物。

もともと、アメリカ人が暮らす家として建てられたもので、福生市内に1,000棟以上も建設されました。しかしながら米軍の縮小の波を受けたことで、住民も少なくなり米軍ハウスも減少傾向に。

1970年代になるとアメリカのカルチャーに憧れる日本人の若者が急増します。これにより空き家になっていた米軍ハウスが注目を集め、独特なファッションや音楽、アートなどの発信拠点の場として変化していきました。

今ではほとんどの米軍ハウスが取り壊されており、希少性が高いものとなっています。

そんな魅力的な米軍ハウスを福生市の組合が「FUSSA American HOUSE」というネーミングで、ヨガスタジオとして利用したり写真展を開催したりなど、さまざまな用途で有効活用しています。

また米軍ハウスをコミュニティスペースとして一般開放されたのが「福生アメリカンハウス」。

建設された当時の雰囲気を残しつつ、当時のキッチンやリビングルームを再現。さらに横田基地のラジオAFN Tokyoが流れているので、アメリカ気分を盛り上げてくれます。

室内に置かれたアメリカンティストの家具や雑貨は、どれもベースサイドストリートに出店しているショップのものです。

クリスマスやハロウィンなどのイベントのタイミングでは、違った飾り付けがされているので季節ごとに訪れても楽しむことができます。

1-3 ベースサイドストリートを盛り上げるイベント

国内にいながらも本場アメリカの空気を感じられる、ベースサイドストリート。福生市では日本の地域住民や海外の方も楽しめるイベントを定期的に開催しています。

まずは毎月第二日曜日に開催する「FLEA MARKET」。海外の方も参加するフリーマーケットなので、日本では珍しいものが並んだり中々味わえない文化を感じることができます。

また「インターナショナルフェア」も人気のイベントの一つ。各会場での様々なライブやフード、雑貨などここでしか味わえないイベントを開催しています。

最も大きく盛り上がりをみせるのが「友好祭」。日米のバンドなどのパフォーマンスや飛行機の展示など、さまざまなイベントが行われ、多くの外国の方々とふれ合うことができます。

これらの大規模なイベント以外も、スポット開催の小規模イベントもよく行われます。

2 ジョンソンタウン

2-1 埼玉県にあるアメリカンなエリア「ジョンソンタウン」

国内でアメリカの雰囲気を感じられるスポットは、埼玉県入間市にもあります。それがアメリカ風の街並みとして整備・維持されている「ジョンソンタウン」。

もともとアメリカ軍のジョンソン基地があったエリアだったことから、その名前を取ったのが由来。ただ実は、このネーミングが決まったのは最近のことで、それまでは「磯野住宅」と呼ばれていたのです。

このエリアには第二次世界大戦前まで陸軍航空士官学校がありました。戦争が終戦を迎え、士官学校はジョンソン基地へと変更されます。そして周囲にはアメリカ人が住める米軍ハウスが多く建設されました。

それから月日が経ち、米軍の縮小など米軍ハウスは老朽化し、街にも活気が無くなっていきます。そこで立ち上がったのが現オーナーの磯野達雄氏。社長の苗字から「磯野住宅」が産まれたのです。

磯野氏は老朽化した米軍ハウスの大規模リノベーションや、古い日本家屋を米軍ハウスの雰囲気に合わせて建て替えるなど街の再建に取り組みます。

街の復興も進んだ2008年頃に、街の名前をリニューアルすることに。オーナーである磯野氏は、街に隣接する富士見公園から「Parkside House Azuma-choIruma」の文字をとってPHAIと命名。

しかし、街の住人から特徴である米軍ハウスが活かされていないと提案を受けます。そこで案として出てきたのが「ジョンソンヴィレッジ」や「ジョンソンタウン」。そこから地元住民や地域外から訪れる方から、自然発生的にジョンソンタウンと呼ばれるようになっていきます。

しかしながら、正式には街の名前は決定せず月日が流れます。

そんな時、街に新しい入居者が「ジョンソンタウン」を使用したショップ名で開業することに。これが後押しとなり2009年に、正式名称を「ジョンソンタウン」に決定します。

現在では米軍ハウスと、平成ハウスと呼ばれる現代的な低層新築住宅とが立ち並ぶ、アメリカの郊外の街並みを感じる自然豊かな住宅街となっています。

またアメリカンテイストな雑貨屋さんやカフェなど、個性豊かな50を超える店舗が軒を連ねます。

独特な癒しの雰囲気を醸し出すヘアサロンや歯医者さん、接骨院など生活に必要な店舗から、撮影スタジオやダンス教室などのカルチャーまで、幅広く揃うのがジョンソンタウンです。

地域住民はもちろんですが、海外気分を味わい非日常的な雰囲気を味わえるので、地域外から訪れる方からも楽しめることができます。

2-2 ジョンソンタウンに訪れる際の注意点

ジョンソンタウンに訪れる際は、幾つか注意すべき点があることを覚えておきましょう。

海外の雰囲気が流れ、どことなく非日常感を味わえることが魅力ですが、実際に住まわれている方も大勢います。

そのため敷地への立ち入りおよび写真撮影は基本的にNGです。トラブルになりかねないため、ルールを守りましょう。また店舗によっても撮影をお断りしているケースもありますので、あらかじめ許可を取った上で撮影を行なってください。

商業撮影に関しても許可を取らなければいけません。事前にジョンソンタウン事務所に許可を取りましょう。

車で訪れる際は必ずコインパーキングなど、所定の駐車スペースに停めてください。地元住人や店舗の駐車場は駐車禁止です。また駐車場や駐輪場でのアイドリングも、迷惑になるためやめましょう。

ジョンソンタウンでは、ペット連れで入店できる店舗もいくつかあります。ただペットとの入店をお断りするケースもあるので、入店する際はあらかじめ確認してください。

またペットの糞はタウン内に放置せず、必ず持ち帰りましょう。おしっこやマーキングをした際は、水を掛けるのを忘れずに。住宅や店舗前でのおしっこは厳禁です。

ジョンソンタウンの景観を守るためにも、空き缶やゴミも持ち帰りましょう。

3 どぶ坂通り商店街

3-1 横須賀発祥のどぶ板通り

神奈川県横須賀市にも、アメリカの雰囲気を味わうことができるスポットがあります。

それが通称「どぶ板通り」と呼ばれる商店街。

横須賀は日本の軍港として江戸時代から発展してきた街。第二次世界大戦後には帝国海軍の軍港として発展し、現在は米国海軍第7艦隊のベースや、海上自衛隊の基地があり多くの海兵が住むエリアでもあります。

そんな異国情緒溢れる街ですが、特にディープなエリアがどぶ板通りです。

そもそもどぶ板通りと呼ばれるきっかけになったのは、明治時代以降なんだとか。その当時、帝国海軍の軍港街として栄えており、この通りにはどぶ川が流れていました。

そのどぶ川が人や車の通行に邪魔になるので、海軍工廠より厚い鉄板を提供してもらい、ドブ川に蓋をしたことがきっかけ。

それが、いつの日からか「どぶ板通り」と呼ばれるようになり、現在でもその呼び名が定着しているのです。

現在は整備されているため、どぶ川は埋められ鉄板も撤去されており、その名残はありません。

日本にいながらアメリカの雰囲気を感じられるスポットとして、多くの観光客や地元住民で賑わいます。

3-2 アメリカンカルチャーに触れられる商店街

どぶ板通りはバラエティ豊富な業種が軒を連ねる、特色ある商店街。アメリカ色が強い店舗が多く、本場のハンバーガーショップや海軍カレーなど、ここでしか味わえない飲食店も多くあります。

またアメリカンカルチャーに触れられることも魅力。

どぶ板通りを語る上で、避けては通れないのが「スカジャン発祥の地」であるということ。

戦後間もない頃にアメリカ軍兵士たちが日本滞在の記念として、テーラーショップにオーダーしたのが始まりと言われています。鷲や虎、龍などのオリエンタル柄や、所属していた部隊や基地などの紋章をデザインしたものがスカジャンなんです。

現在もスカジャンを取り扱う店舗や、オーダーメイドで作れる専門店なんかもどぶ板通りにあります。

またジャズ文化が根付いていることも魅力。実は日本におけるジャズ発祥の街としても知られているのが横須賀。

終戦直後、アメリカ人が集うEMクラブと呼ばれる娯楽施設では、本場のジャズに触れられる貴重な場所でした。その名残から、現在でも横須賀には沢山のジャズバーやジャズ喫茶が残っています。

日本にいながらディープなアメリカを感じられるスポット

本場アメリカを感じられるスポットを3つ紹介してきました。

どれもアメリカの基地周辺にあることから、より本場の雰囲気を味わうことができます。

アメリカの街並みやカルチャーなどに触れられる場所で、いつもとは違った時間を過ごしてみてはいかがでしょう。