ヘリンボーンとは?特徴やお手入れの際の注意点について
普段着用している洋服は、その生地の織り方によって様々な表情を演出してくれます。
その中でも上品で高級感を演出してくれる素材であるヘリンボーンは、織柄の中でもとくに人気の高い生地。カジュアルからフォーマルまで、幅広く使えるヘリンボーンは汎用性やその美しさもさることながら、優れた機能性も保有しています。
今回は、ヘリンボーンの特徴やお手入れ方法などについて知識を深めていきましょう。
ヘリンボーンは模様の総称で、魚のニシンの骨(Herring bone)に似ていることが名前の由来。
ヘリンボーン模様の作り方には、いくつかの種類がありますが、織物では「右上がりの綾織り(右綾)」と「左上がりの綾織り(左綾)」を交互に組み合わせたVの字が連続する模様が特徴的です。
右綾の丈夫さと、左綾の柔らかさの両方を兼ね備えていることもヘリンボーンの魅力と言えるでしょう。
天然繊維から合成繊維まで、さまざまな素材のヘリンボーンがありますが、その中でもウールを使った生地が有名で、秋冬の衣料品でよく目にします。
日本では杉綾と呼ばれることもあり、これは山形と逆山形が交互に入り混じった模様の綾織物です。
様々なファッションアイテムに使用されていますが、クラシックで落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
スーツやコートなどのフォーマルなアイテムに多く見られますが、カジュアルなジャケットやパンツなどにも採用されている素材です。
ここでは、ヘリンボーンの特徴について触れていきます。
光の反射によって、上品な光沢感と高級感を演出してくれるヘリンボーン。
その秘密は前章でも少し触れていますが、ヘリンボーン特有の綾織と呼ばれる織り方が関係しています。
綾織の特徴は、縦糸と横糸を浮かせている織り方なので織物の表面に綾目ができること。できあがった模様は左右非対称になり、糸が浮いていることで交差する点が少なくなります。
これにより、光の反射によって上品な光沢感のある生地に仕上がるわけです。
ヘリンボーンの特徴でもある綾織ですが、平織り生地に比べて適度な厚みが出ることも特徴の一つ。
平織に比べ耐久性が高くなり、ふくらみのあるソフトな風合いに仕上がります。
また柔軟性に優れていることもポイント。厚い生地でも着用しやすく、着れば着るほど身体に馴染んでいきます。
シワになりにくく、洗濯などによる変形が起きにくいため、型崩れの心配も他の生地に比べ安心です。
またヘリンボーンは回復力にも優れており、ウールなどのお手入れが難しいアイテムも霧吹きやスチームでケアすることができることが魅力です。
前述した通り、ヘリンボーンは丈夫な生地なのでお手入れもしやすいことが特徴です。
しかしながら洗濯する際は、素材によって水洗いが出来るものと、ドライクリーニングのみの生地に分かれるので注意しましょう。
特にリネンやウールを使用したアイテムのケアは難しいため、品質表記タグをチェックしてください。また水洗いができる場合でも、摩擦によって生地を傷めてしまいます。
そのため手洗い、もしくは洗濯ネットに入れてお手入れするといいでしょう。
例えばヘリンボーン素材のコートやジャケットなどを洗濯する場合は、基本的には手洗いがおすすめ。
洗濯機を使用するのであれば、洗濯表示を確認し「手洗い可」と書いてあれば、洗濯機の手洗いモードなどでも洗うことができます。
コートやジャケットといった型崩れしやすいものに使用されているということもありますが、生地の特性上アイロンがけはしないほうが良いこともあり、乾かす際に型崩れしてしまうことを防ぐためにも本来はプロのクリーニングをおすすめします。
ヘリンボーン織りの生地は柔らかく、シワになりにくいですが洗濯機の脱水をかけるとしわが寄ってしまう可能性があることを覚えておきましょう。脱水時間は短めに調整することがポイントです。
綾織と呼ばれる特徴的な織り方のヘリンボーン。
カジュアルからフォーマルまで幅広く採用されており、上品で高級感を演出してくれる生地。
丈夫で型崩れしにくい特徴があるヘリンボーンですが、場合によってはお手入れ方法に注意が必要です。
普段とは違った雰囲気を醸し出してくれるので、一度体験してみてはいかがでしょうか。