2022.01.20【ストレッチ素材】特徴やお手入れ方法などの基礎知識

多くのファッションアイテムに採用されているストレッチ素材。

スポーツウェアに使用されていることが多いですが、スーツや下着、シャツなどにも取り入れられており身近な存在です。ご自宅のクローゼットや普段着用しているアイテムにも、きっとストレッチ素材を採用しているアイテムがあるのではないでしょうか。

なんとなく伸び縮みしやすい素材ということは知っているけれども、どのような素材なのかをご存知ない方も多いかもしれません。

そこで今回はストレッチ素材の基本的な知識と、その特徴やお手入れ方法について触れていきます。

1 そもそもストレッチ素材とは

ストレッチ素材は、縦方向もしくは横方向などに伸びる生地のことを指します。

縦横の一方向だけに伸縮する生地を1wayストレッチと呼び、主に横方向に伸縮するものがほとんど。その他に、縦横の二方向どちらにも伸びる生地も存在しており、これを2wayストレッチと呼ばれています。

また縦横だけではなく斜めにも伸縮するのが4WAYストレッチ。基本的には2WAYストレッチも斜めにも伸び縮みしますが、より動きやすさが増しているのが4WAYストレッチです。

ストレッチ素材は「伸縮性と弾力性に富んだ素材」の総称です。あくまで“総称”なので、ストレッチ素材という名称の原料はありません。

ストレッチ素材に使用される一般的な原料と言えばポリウレタン。数多ある繊維の中でも、ゴムのような伸縮性がある素材です。また高い伸縮性だけではなく、軽量でシワになりにくいといった点も特徴です。

ストレッチ素材が開発されたのは1958年のこと。アメリカのデラウェア州・ウィルミントンに拠点を置く、化学メーカー「デュポン社」が開発しました。“ライクラ”と呼ばれるポリウレタンを使用した弾性の高いオリジナルの素材がルーツなんだとか。

一般的にはスパンデックスと呼ばれ、スポーツウェアから下着に至るまで様々なアイテムに使用されてきました。

2 ストレッチ素材の仕組み

ポリウレタンなどの素材は、ある程度の伸縮性はあるものの、それだけでは十分とは言えません。

そこでストレッチ素材と呼ばれるものを作るために、ポリウレタンを軸に綿や麻などの他の繊維を巻きつけることで、高い伸縮性の糸を作り出します。また他の繊維と組み合わせることで、その繊維がもつ特徴的な機能性を持たせられることもメリット。

例えば綿やレーヨン、ポリエステル、ウールなどの繊維と組み合わせることで通気性・吸汗速乾性・耐久性・保温性などが備わります。このように他の繊維と組み合わせることで、機能性と伸縮性を併せ持つ素材ができるわけです。

3 ストレッチ素材が持つ魅力

前項で説明した通り、他の繊維と組み合わせることで、機能性と伸縮性を兼ね備えられることがストレッチ素材の魅力の一つ。

それ以外では、ストレッチ性とキックバック性が最大の特徴。この両方を兼ね備えているからこそ、ストレスフリーな着心地を実現させることができるんです。

ストレッチ性は伸縮性を意味し、生地をギュッと引っ張ることで縦や横に伸び縮みさせることができます。これにより生地自体が伸び縮みするので、体を大きく動かしても快適に過ごすことができる訳です。

次にキックバック性は反発性を意味しており、生地を伸ばした後に元の形に戻る力のことです。高い反発性のストレッチ素材であれば、生地が伸びたり縮んだりを繰り返してくれるので、生地がよれにくくメリハリのあるシルエットをキープしてくれます。

しかし使用頻度が増えれば増えるほど、反発性が弱くなってしまうことを覚えておきましょう。また高いフィット性があり、着用した衣類がずれるのを防いでくれるのもストレッチ素材ならではの特徴です。

4 ストレッチ素材をお手入れする際の注意点

ストレッチ素材の原料である、ポリウレタンですが寿命があることを覚えておきましょう。使用頻度などによりますが、一般的には2〜3年程度と言われています。

ただし取り扱いの方法やお手入れ方法次第では、その寿命を少しでも長くできることもあります。

ストレッチ素材のアイテムを洗濯する際は、洗濯表示をしっかりと確認しましょう。基本的にストレッチ素材の多くは洗濯機で洗っても問題ないことがほとんど。しかし混紡されている糸の種類によっては、手洗いやクリーニングが推奨されている場合もあるため注意が必要です。

次に洗濯機に入れる際に洗濯ネットを利用しましょう。洗濯ネット無しの場合、型崩れや摩耗による毛玉が発生しやすくなります。生地へのダメージを少なくするためにも、洗濯ネットに入れてから洗濯機に入れましょう。

洗濯コースは「手洗いコース」や「ドライコース」がおすすめです。また生地の変色や劣化を防ぐためにも、塩素系漂白剤の使用は控えましょう。

ストレッチ素材の原料であるポリエステルやポリウレタンは、紫外線への耐性が弱いので洗濯後は風通しの良い場所で陰干していきます。また直射日光を当てることによって繊維へのダメージが大きくなり劣化を早めてしまうので注意しましょう。

ストレッチ素材は、シワが付きづらいことが特徴なので基本的にはアイロン掛けは不要です。そもそもストレッチ素材の原料であるポリエステルやポリウレタンは、ゴムの一種なので熱に強くありません。

しかし使用頻度が増えてくると生地が劣化してしまい、シワが気になりだすことも。どうしてもアイロン掛けを行いたい場合は、必ず当て布をしましょう。

ストレスフリーな着心地を実現してくれるストレッチ素材

今回はストレッチ素材の基本的な知識と、その特徴やお手入れ方法について記載しました。

ストレッチ素材は縦方向もしくは横方向などに伸びる生地のことを指します。多くのアイテムに採用されているので、愛用されている方も多いはず。

優れたストレッチ性とキックバック性が最大の特徴。これによりストレスフリーな着心地を実現させることができます。しかしながら他の素材に比べ伸び縮みがしやすいことから、生地自体の寿命が2〜3年程度と言われています。

お手入れ方法については当記事を参考にしていただき、大切なアイテムを少しでも長く愛用できるといいですね。